2012年度理事長所信

社団法人可児青年会議所 第38代理事長

辻   誠 司


 

はじめに
 東日本大震災の発生から1 年近く経とうとしています。未だ、深い失意が日本を覆っています。津波ですべてを失った人々、原子力発電所の事故の影響で住んでいた地域からの退去を余儀なくされた人々、そうした人々の失意はいかに深いことか想像し難い現実があります。被災された方々に一刻も早く心の平穏が訪れることを願ってやみません。
 大震災発生からおよそ2ヶ月後、私自身、被災地でのボランティア活動はもちろん、現地の方々の声を聞き、その気持ちを少しでも理解したいとの思いから、宮城県をはじめ、東北各県を訪問させて頂きました。
 しかしながら、実際に現地を見て、改めて大震災が残した爪跡の深さ、被災された方々の悲痛さを実感し、言葉を失いました。わずかな時間ではありましたが、現地でのボランティア活動を通して、被災地の皆様が悲しみに耐えながらも、「前を向いて進んでいこう」とされている姿を目の当りにし、「明日への希望こそがまちの復興を支える」との思いを強くいたしました。そして、この「希望」とは我々青年会議所が望む「明るい豊かな社会の実現」の原動力でもあると考えるに至りました。この「明るい豊かな社会の実現」のため、本年は次のことに取り組んで参ります。

地域開発
 近年の情報化技術の発展は、これまでの人との関わり方、地域社会との関わり方を大きく変えました。自分が求める物、情報の多くはネットを通じて入手することが出来るようになったのです。また、あらゆるサービスが商業化されるにつれて、結の精神が根付いていた地域社会のネットワークが壊れつつあります。
 まさに今の日本は、地域社会から個人社会へ、そして、孤独社会へ向かっているように感じます。孤独社会となることは、人々の生きる目的や生き甲斐の対象は自分自身でしかなくなることを意味します。自分の為の人生でしかない場合、幾多の困難に直面した時、それを乗り越える気力を維持し続けることは出来ません。人は大切に想う人のため、地域のため、国のためであればこそ幾多の困難にも立ち向かっていけるのです。
 地域の人々が出会い、絆を醸成し、生きる希望や目的を抱けるまちづくりを推進します。

青少年開発
 子どもを巡る昨今の状況は、いじめ、不登校、引きこもり、少年犯罪の増加やその凶悪化など、様々な問題が発生し、深刻な社会問題となっています。また、今の子どもは冷めていて、将来の夢や希望を持たず、難しい目標はチャレンジする前にあきらめてしまうと言われています。
 今、子どもに必要なことはドキドキ、ワクワクするような将来への希望を抱くことではないでしょうか。希望は教えられるものではなく、自ら感じ望むものです。感じたところから得る学びが、何より子どもの心を動かします。自らの将来への希望に向かって生きるということは、自分の成長への喜びを見つけ、周りの支えてくれる人たちに感謝を感じ、そうすることで未来に幸せを描けるようになります。
 子どもが、自身の将来に希望を抱き、希望に向かって生きて行くことのできる運動を展開します。

組織開発
 可児青年会議所が設立されて36年が経ちました。現在ではこの可児地域においても多くのNPO法人など様々な団体が、それぞれの特色を持ち、まちづくりを進めています。時代はまさに「青年会議所しかなかった」から「青年会議所もある」へ大きく変化しています。すなわち、今、我々の存在意義が問われています。
 青年会議所の特徴の一つは若さです。しかし、その若さに希望や目的が付随しなければ、その価値を失います。我々は明るい豊かな社会を希望し、実現させるために行動する組織です。
 人は、目的があるところに集まり、その目的を達成するために組織を形成します。目的をいかにして達成するか、組織運営の手法を探求します。

おわりに
 青年会議所は学校です。題材はまちづくりです。
 青年会議所の理事長をはじめ、すべての役職の任期は1年に限られます。会員は1年ごとに様々な役職を経験することで、豊富な実戦経験を積むことができ、自己修練の成果を個々の活動にフィードバックさせていけます。
 地域社会であっても、企業であっても大切なのは人を育てることです。
 現在、可児青年会議所をご卒業された多くの先輩諸兄は、卒業後に各種団体、企業、行政へと活躍の場を広げ、明るい豊かな社会の実現に向けて日々邁進されています。これからも我々青年会議所は、地域に根付いた人材養成組織としての役割を担っているとの自負のもと、活動を続けて参ります。
 各会員にとって、青年会議所に入会した動機は様々でありますが、始まれば終わりがあります。どう始まったかというより、どう終えるかを大事にしたい。
 青年会議所活動を通して、成長しよう。

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