2015年度 理事長所信


第41代理事長 伊藤 峰由

一般社団法人可児青年会議所 第41代理事長

伊藤 峰由


 

はじめに
 今から40年前、1975年11月に可児青年会議所は当時の青年61名が志し高らかに地域発展を願い、全国601番目、県内18番目の青年会議所として誕生いたしました。
 私も時を同じく、青年会議所誕生と同じ年、同じ月に生まれ、本年40周年を迎える、その記念すべき年に理事長という大役を拝命いただいたことは大きな誇りであり、その機会を与えてくれた青年会議所への感謝の念でいっぱいですが、同時にその責任の重さを感じています。
 『明るい豊かな社会の実現』という創始の精神が39年の時を経てもなお続くのは、歴代理事長をはじめとする先輩諸兄が歴史と伝統を連綿と受け継いできた賜物だと感じずにはいられません。我々の運動の根底を成すもの、それはやはり『明るい豊かな社会の実現』という理念に他ならないのです。
 我々は明るい豊かな社会の実現を目指して本当に真面目に地域の未来を考え、日々活動をしているわけですが、実際のところ青年会議所の社会的な評価、存在価値というものはこの地域においてどのようなものでしょう。必ずしもその評価は良いものばかりではありませんし、他団体と混雑した認知を抱いている方も少なくはないでしょう。そのような評価をされているということも真摯に受け止めなければなりません。その評価は何に対するものなのか。青年会議所の運動に対するものではなく、運動をしている我々自身に対するものではないでしょうか。評価や存在価値などは後からついてきます。今、我々に大切なことは己を律することであります。

  • 規律で律する 
    どの地域でも、青年会議所の活動は、JCI CREED、JCI MISSON、JCI VISIONの唱和から始まる厳粛なセレモニーが存在します。これはJAYCEEが青年会議所運動の基盤となる同じ使命を確認するものであり、大切に守り続けてきた規律のひとつです。この規律を守り、大切にする文化があったからこそ、我々青年会議所が長きにわたり維持、発展してきた背景なのです。
  • 決断で律する 
    青年会議所の活動のみならず、決断する場面はいつ何時でもあります。我々は、やらなければいけないことを必ずやると決断をし、やると決めた事は必ず実行に移さなければなりません。
  • 勤勉で律する
    仕事、青年会議所運動に対して一生懸命であり、常に勉強する姿勢を持ち続けなければなりません。
  • 誠実で律する
    我々が組織のリーダーであるならば、必ず誠実でなければなりません。人や物事に対する姿勢から真心を感じられ、真面目で偽りがないからこそ、人々を惹きつける魅力あるリーダーとなっていくのです。

 
 規律・決断・勤勉・誠実をもって己を律することで自分の生き方に対する自信と『明るい豊かな社会の実現』を志す覚悟を示すことができます。そうすれば必ず社会に対するJAYCEEの説得力はより一層強まり、必ず明るい豊かな社会を実現することに繋がります。

自己成長が組織、地域の力になる
一昨年度、昨年度と、時の理事長が中心となり強力なリーダーシップの下、会員拡大活動に大変ご尽力されたお陰で、多くの新しいメンバーが入会し、現在、可児青年会議所は会員の半数以上が新入会員もしくは在籍年数の短い会員という構成になりました。私はこの現状の青年会議所経験者も少なく、青年会議所の基本すら知らないといった状況に危機感を抱くのではなく、40周年という節目を迎えた今だからこそ、次代へ繋がる大きなターニングポイントであると捉えております。
我々青年会議所は『明るい豊かな社会の実現』という共通する理念を掲げて運動をしておりますが、つい手段や手法だけにとらわれた思考になることがあります。本年は新入会員も既存の会員も我々青年会議所の設立目的や存在意義は何なのか、何のために青年会議所運動を行っているのかという根本的なことを常に意識して活動することを心がけます。それが自分自身のゆるぎない信念を身につけ、言葉に説得力が生まれることとなります。メンバー一人ひとりが己を律し、そして昨日より今日、今日より明日へと一日一日を大切にし、日々精進し、メンバーとともに自分自身を成長させることが可児青年会議所の力となり、地域を動かす力となり、次代へと繋がっていきます。
今、可児青年会議所には確実に新しい風が吹き始めており、この新しい風をこの一年で大きな力に変えなくてはなりません。

大人が変われば、こどもは変わる
 こどもは親の鏡だと言われます。わが子を見ていると、良いところも悪いところも少なからず、自分と同じような行動、発言をしていることに気づきます。きっと親の背中を見ているのでしょう。親が他人を慮る行動をしていれば、きっと優しい子に育ちます。励ましてあげれば、こどもは自信を持つようになります。大きな愛で育てれば、きっとこどもは人を愛することを学ぶでしょう。教育とは、まずは親が子にするべきことなのです。最小限のコミュニティである家族の中で家族愛を伝え、地域の伝統や文化のなかで暮らす喜び、すなわち郷土愛を伝え、日本人として日本を誇りに思う国家愛を伝えることも重要な親の教育なのです。
 また、こどもは社会を映す鏡だとも言われます。青少年育成において必要なことは親や地域の大人がこどもたちに自信をもって自分の背中を見せられるかということです。身近に目標となり、誇りと思える存在がいるということがこどもの成長に大きく影響します。
 我々はこどもを持つ親世代であり、一人の親として、またこの地域に住む大人として未来を担っていく、愛するわが子や地域のこどもたちには必ず幸せになってほしいと願うばかりであります。大人が変われば、こどもが変わり、未来を担うこどもが変われば、きっと明るい地域の未来が待っています。

40年分の感謝 温故知新
 先に述べた通り、私がこの世に生を受けたその同じ月に、可児青年会議所は誕生いたしました。保育園、小学校、中学校、大学と何不自由なく育てられてきましたが、その頃からこの地域を活性化するため、地域に暮らす人を豊かにするために運動している青年がいたのです。
40周年の節目を迎えるにあたり、青年会議所の事務局にて過去の事業や式典などの記録や写真を見る機会がありました。懐かしいネガフィルムを綴じ込んだ分厚い写真帳に埋め尽くされた白黒やセピア色の写真から、その当時の先輩方のご活躍の様子をうかがい知ることができましたし、議案書や資料からは地域をどうにか活性化しようとする気概や地域に対する大きな愛情を感じ、可児青年会議所の長い歴史に浸ることとなりました。
 今日、可児青年会議所が存在するのは間違いなく、『明るい豊かな社会の実現』を目指し、諸先輩方が連綿と歴史を刻んできたこと、そして地域の人々、行政、各種団体のご理解とご協力があったからこそだと考えます。私たちは関係してくださったすべての人々に大きな感謝をしなくてはなりません。本年、感謝の心と温故知新の精神で40年間の時を見つめ直し、次なる50周年に向かって大きな一歩を踏み出す記念式典と記念事業を開催いたします。
また、創立40周年記念事業を全体事業としてメンバー全員で創り上げていく中で、メンバー同士の絆をより強いものとし、これまでの可児青年会議所の歴史と伝統、時代を築き上げてきた人々に触れることでメンバーがあらためて青年会議所の魅力に気づくこととなります。

会員拡大
 一昨年度、昨年度と時の理事長を中心に精力的に会員拡大をした結果、会員数は増加しています。その功績は岐阜ブロックにおいても一目おかれている状況です。ここ2年間で感じたことは会員拡大に成功するということは、必ずしも新しく仲間に加わったメンバーが素晴らしい事業や例会に参加した、あるいは見たからということではなく、多くは青年会議所運動をおこなっている我々自身が入会してほしい相手にどれだけ説得力ある言葉で口説けるのかにかかっているということ。 そしてその時のトップである理事長自らが率先して行動をすること、かつ、メンバーとともに全員で拡大活動しているのかが重要であるということです。
本年も同様、理事長自らが率先して行動をし、全メンバーを巻き込んで会員拡大活動に邁進することを誓います。

むすびに
 戦後の荒廃した社会の中で、「新日本の再建は我々青年の仕事である。」との使命感から青年会議所の運動に灯がともりました。時を少し経て、この地域にも青年会議所運動の灯がともって40年。物質的、経済的には確かに豊かになりました。しかし、その一方、ここで生活する人々のライフスタイル、仕事など全ての価値観が変わり、人々の求めるニーズも変化しています。時代の変化はいつの世でもありますが、青年会議所という団体はその変化や流れに柔軟に対応していきつつも、事の本質をとらえ、青年会議所が掲げる『明るい豊かな社会の実現』の理念に沿って行動し続けなければならない。
 本年40周年を迎える記念すべき年に私の青年会議所生活はラストを迎えます。私が青年会議所に入会してから10年が経ち、さまざまな経験、たくさんの出会いをいただきましたのも、青年会議所があったからこそであり、これまで育てていただいた先輩諸兄、地域の人々、行政機関、各種団体の皆様のおかげであるとあらためて感謝いたします。現役メンバーとこの記念すべき1年間を共に活動できることを喜びとし、1年間の限られた時間を共に楽しんでまいりましょう。

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