2017年度 理事長所信


第43代理事長 中根知重

一般社団法人可児青年会議所 第43代理事長

中根 知重

 

 

 

 

はじめに

私たちの暮らす日本は、 長引く不況に苦しめられた経済も、アベノミクスによる大規模金融緩和により、株高、円安を背景に明るい兆しが見えつつあります。しかし依然として、少子高齢化による社会活力の低下、都市化・過疎化の進行、格差の再生産・固定化、地球規模の環境・エネルギー問題、民族紛争など様々な危機に直面し、社会の急激な変化に翻弄され続けています。このような変化の激しい時代に生き残るには、変化に柔軟に対応しなければならないと私たちは教えられてきました。しかし、何か問題が表面化した時、大規模な事件事故や災害が起こった時など、何か重大なことが起きた時に、その場その場で個別に対応することで精一杯であるのが現実です。今後ますます多様化・複雑化する社会で負の連鎖を断ち切り、人や自然と共生する成熟した新たな社会システムに転換するためには、理想に向けて自ら変化を生み出し、今までの常識にとらわれない新しい価値を社会に創出することが必要ではないでしょうか。私たち可児青年会議所は可児地域に41年以上に渡り志を持った先輩方が、多様な人材を集め、力を合わせ、卓越したリーダーとして郷土に貢献し続けてこられました。昨年は会員拡大に成功し本年は、私たちが自らの変化を恐れず、志高く行動すれば、湖に投じた一石が大きな波紋を作るように市民を巻き込んでいくことができるはずです。変化を生み出す行動は、これまで感じることのできなかった、手に入れることができなかった価値の創造につながります。始めはたった一人の小さな変化が、次々と同志を増やし、やがてまち全体の大きなうねりへと変わること、それが青年会議所の運動の本質なのです。戦後の廃墟から奇跡の復興を遂げ、経済成長をなしえたのは、先人たちの志が生み出した運動があったからに他なりません。私たちは今こそ可児地域発展の使命を帯び、変化がもたらす新たな価値を創出すべきなのです。

 

地域開発(まちづくり)

政府が進める地方創生は「まち・ひと・しごと」の創生が掲げられています。その基本方針は、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を生み出し、「まち」に活力を取り戻すことです。但し地方創生は、行政がやってくれること、ではありません。可児地域にとって、地方創生のあるべき姿とはどのような姿なのかを描き、理想に向けて行動するのは、地方の未来を担う私たち一人一人です。

私たちの住む可児地域は、災害が少なく自然環境に恵まれた大変住みやすいまちです。そうした恵まれた地域に隠れている新たな価値を発掘し、誰もがもっとまちを誇りに思い、愛することができるように、そして未来を担う子どもたちの笑顔があふれるように、元来まちが持つ魅力をさらに磨き上げることです。その過程では多くの市民と関わりを深め、市民とともに活動することが必要となります。昨年の事業では二回目の開催となる「可児秋祭」が開催され、郷土を想い、郷土のために行動できる人々が多く集い、他団体との交流を図り可児地域の活性化へ前進し、まちを取り巻く環境が変化する中で、自立したまちの発展に真に必要なのは、やはり「ひと」ではないでしょうか。郷土を愛する心を持ち、未来のために自ら変化を生み出し行動する「青年経済人」こそが、地方創生の原動力となるのです。

 

アカデミー(自らを変えすぐれたトップになる)

若者が集う団体が多く存在する中で、可児青年会議所が誇るべきものは何でしょうか。

それはこれまで41年間、脈々と守り育ててきた「仲間づくり」の風土です。可児青年会議所は人に始まり、友に終わる、徹底して同志にこだわる組織です。人と人が集い、積極的な変化を経験し、困難を乗り越え、新しい出会いや、わくわくするような時間を仲間と共有しながら、リーダーとして必要な情と理の資質を体得していくのです。 多くの人は変化を嫌います。新しい何かに挑戦するよりも、ストレスの少ない安心と安全に包まれた環境に居続けることを選んでしまいます。しかし、変化の激しい社会において、若者が安定ばかり追い求めるのは、近い将来に大きなリスクになるのではないでしょうか。

今の若者にこそ「仲間づくり」が必要なのです。可児青年会議所であれば、人にこだわる濃密な環境の中で、変化を恐れる気持ちを仲間とともに少しずつ克服し、一つ一つ成功体験を積み重ねることを通して、いつしか自ら変化に挑戦するような成長を実感できるはずです。変化は同志がいるから乗り越えることができます。仲間のおかげという成功経験があるからこそ、今度は自分が誰かの役に立ちたいという思いが芽生え、人のため、まちのために懸命に行動できる人間へと変われるのです。私たちはあらゆる機会をチャンスととらえ、本気で向き合い、より良い変化を生み出すために学ばなければなりません。こうして培われた自ら変化に挑戦して行動する力は、必ずや地域のリーダーとして郷土の発展に貢献すると確信し、取り組んで参ります。

 

青少年育成(子どもたちの笑顔のために)

私が若い頃、「今の若者は…」「昔は良かった」などと口にする大人に対し、反発や疑問を抱いたことを覚えています。進化する時代とともに子どもたちを取り巻く環境が変化してもその声がなくなることはありません。子どもは大人の鏡、時代の鏡であり、もたらされる問題の根源は他者のみならず子どもにさえ無関心で、責任を逃れる大人にあると認識しなければなりません。

私たち大人が、子どもたちに伝えていかなければならないこと。それは、人と人とのつながりのなかで育み受け継がれてきた日本の精神性であり、思いやりの心、道徳心、郷土愛です。子どもたちの成長は大人の責任であり、我々自身が子どもたちの未来を担いどうあるべきかを考え行動していかなければなりません。一人の大人として、可児地域に住み働く大人としてあるべき姿を学び、子どもたちだけではなく我々大人の心も育み共に成長していく機会を創出し、子どもたちの笑顔溢れる明るい豊かな未来のため青少年育成に取り組んで参ります。

                                      

むすびに

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

私の大好きな言葉です。青年会議所活動には様々なチャンスがあります。そのチャンスを生かすかどうかは自分次第です。私たちは、家族の時間、会社の時間、自分の時間、全ての人が共通して持つ時間を削って青年会議所活動をしています。目の前にあるチャンスをどのようにとらえるかで、成長のスピード、吸収できるものが違います。我々に残された時間は40歳までしかありません。青年会議所活動ができる今を、全力で駆け抜けましょう。このかけがえのない仲間、過ごした時間を意味のあるものにするのは自分たちです。

そして、可児青年会議所の活動にご協力いただいている、行政をはじめとする各種団体の皆さま、そして先輩諸兄には今後も変わらぬご指導とご支援をお願い申し上げます。

自らを変えるため、可児地域を変えるため、前に進み、青年らしく自ら変化を起こす事をお約束して、2017年度同志と共に邁進致します。

 

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