2020年度 理事長所信


第46代理事長梅田真弘

一般社団法人可児青年会議所 第46代理事長

梅田 真弘

 

 

 

 

[はじめに]

一般社団法人可児青年会議所は可児市、御嵩町を活動エリアとして1975年に誕生し昭和から平成そして新しい時代、令和へと引き継がれ今年で45年目を迎えます。これまで可児青年会議所が活動を続けてこられたのは諸先輩方の住まう地域をより良くしたいという熱い想いと並々ならぬ努力の賜物です。

また、私達が生きている社会は昨今AI等の新たな技術により目覚ましい発展を遂げています。しかしながら同時に社会は複雑化の一途をたどり新たな恩恵と共に新たな課題を生み出しています。我々はこの多様化・複雑化する社会において明るい豊かな社会を実現するために諸先輩から受け継いだこの歴史と伝統を継承しつつ新たな時代に対応しなければなりません。

 

[組織改革]

近年、可児青年会議所は先輩の支えや、会員の不断の努力により会員拡大に成功しました。拡大の成功という事実は、我々の活動に自信を与え、より意欲的に拡大活動に励む好循環を生みました。拡大に成功したことで地域のために行う活動の幅も大きく広がり、より効果的な事業を行う下地が出来上がりました。

可児青年会議所が、次へ進むために取り組むべきことは組織改革です。

可児青年会議所は入会した経緯、入会年数、関わり方がそれぞれ違う会員によって構成されています。また単年度制なので、役職も毎年変わります。江戸時代の寺子屋がそうであったように、青年会議所への距離感や意識段階に差異がある会員が共存し、同じ方向を向き前に進んでいくことができる組織にならなければいけません。

先輩が残していった可児青年会議所の伝統「新入会員を巻き込め」の精神と、現役会員の想いを融合させ、新たな時代に即した組織に変化するために、改革を行わななければいけません。拡大の成功によって経験の浅い会員が増加した今こそ組織運営の在り方を見つめ直す絶好の機会なのです。

 

[地域の変化とこれからのまちづくり]

令和の時代になり社会に変化が表れ始めています。ビジネスにSDGsを取り入れる企業が現れました。持続可能性が語られはじめ、個人を犠牲にしても構わないといった合理性中心の考え方から人間的側面に着目した考え方が広がっています。また、ダイバーシティという言葉に象徴されるように個性尊重の潮流が芽生え、多様性を受け入れようとする機運が高まりました。

今後、個人の尊重がさらに進み、私は私という考え方が増えいけば地域のコミュニティへ積極的に参加する人々は減ってしまうかもしれません。それでいいのでしょうか。時代が変わっていき、どんどん便利な世の中になったとしても、周りとの関係が希薄になり、自分のまちに愛着が持てなくなってしまう。それでは何の意味もありません。新しい時代になっても、この地域に住む方々が手を取り合い、地域のコミュニティに積極的に参加していけば、災害時のお互いを助け合う関係は維持され、地域全体で子どもを育てる意識が高まり、地域の文化・特色は受け継がれ、この地域に住む人々が、誰しもこのまちに誇りを持つことができます。可児の未来はそのように、希望溢れる明るい豊かな地域でなければいけません。

植物が芽吹くためには気温の上昇が必要です。まちづくりも同じです。このまちのコミュニティに積極的に参加する芽を出すためには、地域の人々の心の盛り上がりが必要です。

このまちに住む人々がつながり、関係性を育み、まちづくりに積極的に参加する流れを作るべく、地域に大きなインパクトを与え地域の人々の心を盛り上げます。

このまちの良さを再確認し、誇りと愛着を皆が持てるように、このまちを盛り上げてまいります。

 

[青少年育成]

時代の進化により子育てへの身体的な負担は軽減されました。また、積極的に子育てに参加する親も増加しています。ですが、精神的な部分では、便利な世の中になった分、色々な情報が入りすぎ、悩んでしまったり、子育てに求められる水準が高くなっていると感じる親も増加しています。

いつの時代も親の愛情は、無償の愛であり不変です。しかし、愛情は持っているだけでは伝わりません。日々の生活の中で、いつしか親は子どもの成長に合わせ、行動を褒め、結果を褒め、無償の愛をなかなか言葉で伝えなくなっていきます。また、子が親を思う気持ちも無償の愛です。これは子育て世代の親は、毎日のように感じています。親を必要とし、愛し、慕い、親として成長する機会を与えてくれる、本当にかけがえのない存在である子どもが表現する無償の愛。愛情とは行動なのです。この先もっと便利な世の中になり、子育ての環境もさらに良くなっていく中で、わが子が生まれたときに感じた、存在していることが何より幸せだという事を、子を育てる親自身が再確認する機会の提供が必要なのです。

また、生まれながらにデジタル機器が存在している時代に生まれた今の子どもたちは、デジタルネイティブやトークンネイティブと呼ばれています。時代が進み、何でも調べればすぐ分かってしまう時代になれば、求められるものは問題を解決する力よりも、何が問題なのかを発見できる力、そしてその間をつなぐことのできる力です。そのためには今まで必要とされてきた勤勉さや責任感に加え、自由さや、直感力、好奇心を育てなければいけません。これからの未来を担っていく子どもたちが激しく変化していく社会のなかで、豊かな人生を送ることができるように、青少年育成に取り組んでまいります。

 

[会員拡大]

組織改革を図りながら、我々は会員拡大の足を止めることは決してありません。

「JCとはどんな団体ですか」という問いに、自信を持って熱く語れる会員は、今何人いるのでしょう。青年会議所への価値観は人それぞれ違います。時には道に迷うこともあるでしょう。ですが最終的な目的は皆同じです。それぞれが自らの答えを持って思いを伝えることができれば我々の拡大活動の質は飛躍的に進化できます。会員全体で拡大の意義を理解し思いを熱く語ることができれば、必ず勧められた人の心に強く、この思いを響かせることができるのです。

一方で、入会したにも関わらず、青年会議所になかなか魅力や目的を見出せず、参加に躊躇したり退会してしまう会員も存在します。入会させるだけでは拡大活動ではありません。それは勧誘です。入会した動機はそれぞれですが、会員一人ひとりが活動する中で、個人の成長に寄与することのできる仕組みを作ることで、より深く積極的に青年会議所活動に邁進し社会に変革を起こす人材と成るのです。

組織改革と会員拡大は車の両輪です。どちらを欠くことなく前に進み、社会にインパクトを与えアクティブ・シチズンを生み出しましょう。

会員拡大こそが青年会議所の運動の根源です。拡大とは、勧誘ではなく、組織の存続や運営のためだけに行うものでもありません。明るい豊かな社会を実現するためにこそ行うのです。本気でこの地域の事を考え共に行動できる同志を一人でも多く見つけ、社会で活躍できる人材を輩出することができれば必ず地域は良くなります。

 

[創立45周年と今後の青年会議所]

温故知新のスローガンのもとに、40年間の可児青年会議所の歴史を振り返り、新たな青年会議所への方向性を打ち出して今年で5年の区切りを迎えます。5年経った今、我々はどのように新たな道を歩んできたのでしょう。会員拡大に邁進し、新たな時代に対応するべく切磋琢磨してまいりましたが、次の時代を見据え、さらに成長し持続的に活動を続けていけるように、一度活動を振り返り、総括を行い、自分たちがどう進んでいるかをしっかり見据えるとともに、私たちの活動を見守り、ご協力いただいた地域の皆様に感謝を伝えさせていただきます。

 

[むすびに]

私は青年会議所へ入会して数えきれないほどの学びをいただきました。人生の貴重な青年の時代を偉大な先輩や仲間と過ごせたことは私の誇りであり、今の自分を形成する礎となっています。青年会議所は自らの意思と選択によって、成長と発展の機会はいくらでも得ることができます。40歳までの限りのある時間の中で自らが青年会議所に在籍する意味を見出し、心からの仲間と出逢い、成長し、社会で活躍するリーダーになりましょう。

そして、本年可児青年会議所は45周年を迎えます。これまで可児青年会議所を支えてこられた先輩諸兄の皆さまにあらためて敬意を表させていただきますとともに、関係していただきました地域の皆さま、各種団体の皆さま、行政関係各位に深く感謝申し上げます。これまで以上に社会に貢献できる団体を目指し、謙虚な気持ちを忘れずに活動を行っていく所存でございますのでご指導とご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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