2019年度 理事長所信


第45代理事長本松金三

一般社団法人可児青年会議所 第45代理事長

本松 金三

 

 

 

 

はじめに

1945年8月6日、世界最初の原子爆弾が広島に投下され、その後75年間はぺんぺん草も生えないだろうと言われた広島県で私は生まれ育ちました。日本国内が戦争の被害に打ちひしがれる中、私たちの祖先は日本で2度とこのようなことがおこらないように、安全で誰もが住みやすい国を創ろうとしてきました。そして諸先輩方は、戦後焼け野原の日本からわずか6年後に「新しい日本の再建は我々青年の使命である」という覚悟を胸にJC運動に取り組みました。世界中から奇跡の復興と呼ばれる高度経済成長を駆け抜け、バブルの崩壊から始まる失われた30年といわれる時代でも夢と希望をもちながら、常に積極的にリーダーであらんという志をもって、この地域を少しでも良くしたいと活動をされてきました。安全で誰もが住みやすい国を創るため試行錯誤を繰り返してきたその成果が、現在私たちが暮らす安全で平和な、四季折々の美しさがある日本ではないでしょうか。

2019年、平成という1つの時代が終わり新しい時代を迎える節目の年となります。いつの時代でも社会情勢の変化や価値観の多様化に伴い、地域社会の未来にとって本当に効果的なJC運動が何であるのかを、的確に判断することは難しいと感じます。しかし今を生きる我々にはこの地域に住む人たちにとって、本当に必要な事は何かを常に考え続けて行動していく事が大切です。

私たちの暮らすこの可児地域は山や川など自然の恵みに囲まれながら、自動車産業や航空産業等のモノづくりの工場や製造業の事業所が点在しており、高速道路のインターチェンジや鉄道のJRや私鉄の駅もあり、インフラの整った、観光にも産業にも更なる発展の可能性を秘めた魅力ある地域です。名古屋市のベットタウンとして可児市の人口は昭和後期から増え続け、現在の人口は約10万人で、そのうち外国籍の方はリーマンショック等の経済的な動向に左右されながらも増え続け、現在では人口の6%を超えています。10年後にはリニア中央新幹線が開通し県内にもリニア岐阜県駅が出来ることにより、更なる流通網の発展が見込まれます。しかし今後も継続的に魅力的な町づくりを行っていくには、我々青年が当事者意識をもって取り組むことが大事ではないでしょうか。現状に満足することなく、将来のよりよい社会の構築を実現するという確固たる信念と自覚をもち、行動することでこの地域に住む人たちを巻き込み、次代に継承していくべきだと確信いたします。

 

多文化共生地域の青少年育成

日本全国で少子高齢化により労働人口の減少が懸念される中、日本でも有数の人口増加と、外国人居住者の増加を経験してきたこの地域は、多文化共生の町として、フレビア等の多文化共生センターや、可児市文化創造センターアーラ等の施設を活かした交流で多様な文化を背景に持つ市民の交流を促進し、地域発展を遂げてきました。現在もこの地域には様々な国籍の人たちが住んでいますが、今後もこの地域で進んでいくであろう、多文化共生時代の中では大人も子供も国籍に関わらず、文化や習慣等の相互理解を深めるために交流する機会をつくる必要があるのではないでしょうか。そのためには、まず我々子育て世代の大人が意識を変える事が必要だと考えます。私たち大人は率先して行動することで子供たちに大事なことを伝えていかなければなりません。そして人との関わりかたも現代では変化してきています。情報社会の発展により、言葉が満足に通じなくとも携帯アプリや、オンラインゲーム等の共通の趣味やツールを活用して、コミュニケーションを図ることが可能な時代になりました。何もなかった時代から何でも選べる時代になった現代では、物事を決断する時に子供時代の実体験が貴重な財産となります。子供たちの可能性を引き出すには生活の糧を自らの行動で生み出すべく社会生活を体験し、達成感を味わうことで自立の精神を育み、将来的に社会を創っていく宝として成長できるような機会を創出し、この地域への愛着を深めてもらえるような青少年育成事業を推進してまいります。

 

JAYCEEとしての不屈の精神の形成

42年以上の長きに渡り先輩諸兄が築いてこられた活動実績により、また会員の積極的な会員拡大活動により、現在可児青年会議所は41名、うち昨年度会員申込者数11名となりました。全国的に会員数が減少傾向の中、非常に喜ばしいことであると感じております。会員拡大活動については、今年度も継続して力を入れていきたいと思っております。
しかし同時に、3年未満の新入会員が非常に増え、私たちはそういった方々全てをJC活動へ巻き込めていないのも事実です。そうした新入会員に、私たちの活動の意義を肌で感じ、認識をしていただくことが喫緊の課題であると考えます。
そのうえで、全ての会員一人ひとりに、JAYCEEとして目的意識をもっていただき、失敗を恐れず自己成長を追い求めて欲しいと思います。そうしたチャンスが、JCにはあります。チャンスは、自らが望めばいくらでも手に入ります。そしてチャレンジすることは、今後自身の人生において必ずプラスになると信じています。
JC活動は会員一人ひとりが資本であり、原動力であります。会員がいるからJC活動ができます。そしてそれぞれ個の成長が、必ず地域社会に対する貢献へと繋がるものと考えます。そのため全ての会員には、あらゆることに積極的にチャレンジしていただく為の、JAYCEEとしての不屈の精神の形成を掲げます。

 

岐阜ブロック事業への参加の機会を可児の成長へ

近年の会員拡大の成果が実を結び可児JCのメンバーは38名となりました。毎年メンバーが増え続ける中で、JAYCEEとしての資質向上が求められております。本年度可児JCは、公益社団法人日本青年会議所東海地区岐阜ブロック協議会、LOM数17、総メンバー約600名で構成されている組織を主管する事となりました。岐阜ブロックでも同じ志をもって多くのメンバーが活動しておりますが、その最初の事業として2019年度日本JCや、東海地区協議会の展開する運動を共有し理解を深め、そして岐阜ブロック協議会及び各委員会の方針、ならびに各LOMの理念を共有することを目的として、岐阜会議が開催されます。我々の仲間が主管する側の立場で活動している事業に、出向したことのないメンバーが参加することで、我々の可児地域だけでなく、県内他LOMの地域文化または活動に触れることで多くの交流ができ、様々な強いネットワーク作りの機会となります。それがメンバー個人の成長や、運動発信の力を強化することにつながります。可児JCとして積極的にブロックの事業に参加する事で、JAYCEEとしての成長を促し、この経験が5年後、10年後と未来を照らす羅針盤として可児地域を輝かせるための原動力になると確信しています。そして、LOMから輩出した仲間が胸を張って誇りをもって一年間使命を全うできるように、邁進いたします。

 

次代を担う人材の拡大と交流

JCの最大の目的は明るい豊かな社会の実現です。その実現に向けてJC運動を進めるには、この地域を良くしていきたいという同じ志をもった人材を一人でも多く増やし、会から離脱することなく、フォローしていく事が大切です。拡大の活動はJCと社会の最大の接点でもあり、組織をより良く変えるきっかけにもなります。どのような組織も社会の変化についていけなければ衰退する運命にあります。地元で活躍する方たちと積極的に交流の場を持ち情報をえることで、会員拡大につなげます。そして仲間となったメンバーとともに、この地域のためにできることを考え、奉仕の精神をもち、多くの困難を乗り越える修練を積むことで、組織としての団結力を培っていきます。また可児JCが魅力ある団体であり続けるには、この地域を今よりも良くしたいという、同じ志をもって活動している団体との交流も必要ではないでしょうか。新しい視点をもつ仲間を増やし、この地域で必要とされている事業を常に探求し実行する事で、この地域の青年経済人の仲間として切磋琢磨しあえる関係性を築き、共に成長を感じられるような機会を通じて、個人や組織の成長が可児地域の発展に伝播していくような運動を行います。

                                      

むすびに

この地域に住む人たちがただ一心にこのまちをより良くしていきたい。そう考え行動してきた結果が今の可児地域であると考えます。ここに住む私たちがこの地域を住みやすいと感じ、他に誇れる地域であると感じるのは、いつの時代もアクティブシチズンと呼ばれるリーダーが存在し、使命感をもち、市民の意識変革のきっかけとなるような事業を行う中で様々な困難に直面しても、それを乗り越えてきたおかげではないでしょうか。次の時代に向けて今を生きる我々が、先人の知恵と勇気と情熱を継承しつつ、常に新たな一歩を踏み出せるような運動を行ってまいります。日頃より可児JCの運動にご協力をいただいている、行政をはじめとする各種団体の皆さま、そして先輩諸兄には今後も変わらぬご指導とご支援をお願い申し上げます。

 

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